住宅リフォーム

○住宅リフォームの特性

『住宅リフォーム』の概念は非常に幅広く、多岐にわたります。増改築や改装から、改修、補修、修繕、メンテナンス等まで、その大きな概念の中に包含され、これらを明確に定義づけてカテゴリー分けすることは非常に困難です。

規模の面で言えば、例えば、まるで建替えたかと見違えるほどのもの、「古民家の再生」などからイメージされるものなどから、「網戸の張替え」や「水栓金具の取り替え」といった小規模なものまで多種多様なものが包含されます。

またリフォームする箇所は、当然住宅を構成する全ての部位が対象となり、内容をカテゴリー分けするとすれば、内装・設備・屋根・外壁・構造(基礎)など、こちらも様々であります。

さらに、住宅リフォームを行う場合、老朽化の度合いや、個々の住宅そのものの仕様等が、当該リフォームに採用できる部材や施工の手間に影響を与えるなど、同じような規模・内容のリフォームであっても、費用や施工品質は、決して一様なものとはなりません。

このように、住宅リフォームの特性としてその「多様性」が挙げられ、この多様性は、住宅リフォーム事業者の業務の標準化・定型化を、総じて困難にしています。

そして、これが価格や工期を消費者に対して予め明確に提示することを難しくしている面が大きく、事前に住宅リフォーム事業者が現場を調査してみなければ、最終的な見積りも明確にならない等、消費者にとっての住宅リフォームの不透明さ、曖昧さにつながっています。

○住宅リフォーム事業者の種類

住宅リフォームの直接の供給者となる住宅リフォーム事業者についても、多種多様となっています。仮に、直接住宅リフォームを請負う(元請する)業者を『住宅リフォーム事業者』と呼ぶとしても、はっきりとした定義はなく、業態として明確に確立されているとは言えません。

ただし、住宅リフォームは多かれ少なかれ必ず建築・設備等の施工が伴うことから、その担い手としては工務店・住宅リフォーム専門会社・ハウスメーカー・設備業や内装業等の各種専門工事業者等、何かしら住宅の建設・建築関連する業種が割合として多くを占めています。

また、住宅リフォームの内容について、それぞれ専門に行う専門工事業者が多数存在しています。それらの専門工事業者が直接消費者から住宅リフォームを請負った場合は、すなわちその事業者が『住宅リフォーム事業者』となります。

○住宅リフォーム事業者の業種構造

こうした市場構造の中で、近年では異業種からの参入も多く見られ、例えば、ホームセンターや百貨店といった大型小売業は店舗の圧倒的な集客力、また燃料販売業はプロパン等の燃料販売で繋がりをもつ多くの既存顧客、といったように、それぞれ元来の業種・業態としての既存の強みを活かしてこの住宅リフォームの需要を取り込もうとしているケースが多く見られます。

以上のような住宅リフォーム事業者の業種構造の多様さは、住宅リフォーム事業の参入障壁が低く、様々な業種・業態の参入が比較的容易であることに起因している部分が大きいものと考えられます。

○参入障壁の低さ

住宅リフォームを実施するにあたっては、よほど規模の大きな工事以外は特別な資格や許可が必要とされず、住宅リフォームの元請には必ずしも「建設業法」の許可を受けなくても参入可能となっています。

これは建設業法で建設業許可が免除されている工事範囲が、建築一式工事では1500 万円未満(または延べ床面積が150 ㎡未満の木造住宅)、それ以外の工事の場合は500 万円未満となっているためであり、一般的な住宅リフォームの多くはこの1500 万円、500 万円という金額の範囲内に納まってしまうことが多いです。

このように建設業許可の取得は、住宅リフォーム事業への参入条件としては絶対不可欠なものではなく、このため建設業法許可を取得する際に必要な技術者のいない会社であっても、住宅リフォーム事業に参入しているケースも多々見られます。

なお近年では、いわゆる悪質な業者によるトラブルが一部社会問題化しています。これは、一部の心無い悪質な業者の、主に訪問販売によるものが多く、強引な勧誘、法外な費用、劣悪な施工品質などがクレームの対象になっている。参入障壁の低さが、このひとつの要因になっている可能性も考えられます。

国土交通政策研究 第46号

住宅リフォーム市場の実態把握と市場活性化に関する研究 全70頁より、、一部抜粋、引用・省略 詳しくは下部添付ファイルを参照

○コメント

このような住宅リフォームの構造の中で、従来から水まわりのメンテナンスを多く手がけてきた私達にとって、お客さまとの信頼関係が最も重要だと考えております。

その信頼は簡単に得られるものではございませんが、建設業許可事業者や上下水道指定工事店など許認可制度のみならず、今までの住宅設備工事で培った技術や経験、人や企業との繋がりを生かし、得意分野の水廻りの専門家として、様々な仕様・条件の中から常に広い視野でお客様にご提案し、設計・施工~アフターフォローまで一貫してお役に立てるよう日頃から努めてまいります。

工事部位で言えば、トイレ・キッチン・フロ・洗面所・屋外等。工事科目で言えば、上下水道・給排水衛生設備工事・冷暖房空調設備設備工事・ガス消費機器設置工事、解体・内装・土木など附帯工事もトータルで考えながら、出来る限りお客様に満足して頂ける「水まわり専門サポーター」として、これからもお客様の大切な暮らしを守れるようお手伝いをさせて頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

有限会社 則竹工業所 専務 松本貴志

住宅リフォーム市場の実態把握と市場活性化に関する研究.pdf